消費者が日光可読LCDを求める理由
LCDを周囲の照度が高い場所、屋外や直射日光の当たる場所で使用すると、通常の明るさのディスプレイではほとんど読めません。 携帯電話やタブレット、ノートパソコンを屋外で使用したり、天気の良い日に窓際に座ったりすると、この現象を経験したことがある人は多いはずです。 ディスプレイが霞むこと、暗くなること、画面に後光が差すこともあります。 個人用として携帯端末には画面の情報を読めるよう明るい光を遮断するオプションがあります。 真昼間に通りかかった街角の店で、セール品や特売品などを表示しているものの、その表示が読めないことを想像できますか。 お店が伝えたいメッセージが何なのか、お客にはわかりません。 潜在顧客に印象を残す機会を逸してしまったのです。 せっかくお金をかけて広告や設備を導入したのに、ディスプレイが暗すぎてお客の目を引くことができませんでした。 高輝度ディスプレイと呼ばれる日光可読LCDは、屋外や直射日光の下で動作することを想定されています。 これらの製品は、最も厳しい環境条件で使用できるよう、非常に頑丈で耐久性に優れています。 これらは、長時間の動作が求められる、オイル&ガス、海洋、軍事、農業などで利用される産業用ディスプレイを開発する際に、必須の要件です。
日光可読ディスプレイ技術とは何か?
直射日光下での画面の見やすさや信頼性を向上する技術的アプローチや改善策がいくつか存在します。 第一の強化点は、明るい環境を克服するために、LCDの輝度を上げるバックライトシステムの開発です。 高輝度バックライトには、半透過強化法(透過型と反射型の両方を意味)のように、明るい環境で画面をより読みやすくなるよう周囲の照明を利用する技術もあります。 現在、ダイレクトバックライト技術には新たにローカルディミングが加わっています。 これは、画像を明るくしたい部分だけにバックライトを集中させ、LCDのコントラストを高める機能です。 また、LCDの前面に光学的に接着されたAR/AG(反射防止、アンチグレア)カバーガラスを使用することで、反射損失を最小限に抑え、ディスプレイのコントラストを向上しています。
高輝度
日光可読ディスプレイは、Litemaxが創業以来力を入れてきた中核技術です。 Litemaxが提供しているディスプレイのほとんどは、少なくとも1,000nitの照度を誇るバックライトを搭載していいます。 Litemax独自のバックライト設計、LED結合部の内部ヒートシンクにより、同社のエンジニアリングチームは、すべての電力と内部熱を最小限に抑えながら、高照度バックライトの開発に成功しました。 これは、屋外で使用されるディスプレイでは、明るさもさることながら、直射日光が原因の熱負荷による発熱も懸念すべき点です。 顧客の要望に応じて、2,000、2,500、3,000nitの高輝度バックライトも開発可能です。 輝度が高いので、どのような照明環境でも視認性に優れています。 以下の表は、環境や用途に応じて適した明るさを示したものです。
- Litemaxバックライトテクノロジー1000nits(VHB:Very High Brightness)は、屋外や直射日光下でも読みやすいように開発されたバックライトです。
- • 屋内用LCDの一般的な明るさ:輝度250~350nits。
*表:照明条件と推奨LCDソリューション
照明条件 | 周囲の照度 | ディスプレイの推奨照度 | 用途 |
室内(照明未使用) | 500 nits | 200 nits | 暗い室内 |
室内(照明使用) | 1000 nits | up to 300 nits | デスクトップPC、ビル用カメラ・監視カメラによるモニタリング |
明るい店内照明、曇り空 | 1000~3000 nits | 300 ~ 500 nits | POS、業務用 |
薄い高曇りの空、間接照明 | 3000 ~ 7000 nits | 500 ~ 800 nits | 駅、バス停、空港などの公共交通機関、半屋外のデジタルサイネージ |
太陽光、青空 | 7000 ~ 10000 nits | 800 ~ 1000 nits | DOOH、キオスク端末、ガソリンスタンド |
透過強化LCD
バックライトの熱を最小限に抑え、屋外での視認性を向上させる方法の一つとして、LCDに透過反射層を設ける方法があります。この層は、周囲の光をLCDで反射させ、光を再誘導することで、明るい場所でもLCDの視認性を向上することができます。 この改善策は、屋外で使用されるディスプレイの高性能化、低消費電力化に対応した最先端技術の一つです。
AOT(高度オプティカルボンディグ)
AOT (高度オプティカルボンディグ) はLitemaxが取得した数多くの特許の一つです。 オプティカルボンディングは、反射面を最小化することで視認性を向上する機能です。 これに加えて、カバー部材のコーティングと接着層をインデックスマッチングさせ、さらに内部の反射面を減らして反射ロスを最小限に抑えることで、屋外ディスプレイ製品としては最も明るくクリアな画面を実現しています。 AOTとは、光学用接着剤を使用して、反射防止ガラス、タッチパネル、ヒーター、EMIシールドなどをディスプレイの上面に貼り付ける技術です。 この方法なら、カバーガラスとディスプレイの間の空隙がなくなるため、直射日光下でも読みやすくなります。 また、高湿度の屋外環境で湿気が溜まりやすい空隙を埋め、ディスプレイの耐衝撃性を大幅に向上させることができるのも、光学接着のメリットです。 日光可読ディスプレイのパイオニアであるLitemaxは、最も要求の厳しい市場セグメントで使用される最先端の製品とプロセスの開発に努めています。 これらの機能強化により、顧客が過酷な屋外環境でディスプレイを展開する際に直面する課題を克服することができます。
視認性向上
反射率の低下を最小限に抑えることで、コントラスト比を最大4倍に向上。
反射抑制
LCDの前面に、カスタマイズしたカバーガラスを貼り付けるために、インデックスに合わせた光学用接着剤を使用しています。
耐久性向上
LCDとカバー部材の間に接着剤を追加することで、耐摩耗性、ボールの落下や蹴りなどの耐衝撃性を向上させることができます。
防塵・防湿機能
カバーガラスとディスプレイの間に空隙がないため、ディスプレイ表面の曇りの原因となる水分の侵入を防止できます。
UV保護フィルム・IR熱線遮断
地表に届くエネルギーのほとんどは太陽から発生しています。 太陽放射は、私たちが見ることのできる可視光の波長です。 また、太陽は赤外線や紫外線など、目に見えない波長のエネルギーも放出しています。 地球に届く太陽エネルギーのうち、紫外線の波長が最も大きなエネルギーを持っています。 残りの太陽放射のうち、赤外線が最も波長が長いです。 ほとんどの物体は赤外線を放射しており、私たちはそれを熱として感じています。 この熱は、直射日光の下ではディスプレイに吸収されます。 このように外部からの熱を吸収することをソーラーローディングまたはサーマルローディングといいます。 Litemaxはソーラーローディングに対処すべく、独自の材料とプロセスを開発して機能の強化を行い、直射日光にさらされることによるLCDの熱の蓄積を最小限に抑えました。 その技術の一つが「紫外線/赤外線透過防止コーティング」です。 これらのコーティング技術を用いることで、Litemaxのディスプレイの太陽エネルギーの合計除去率が向上します。 目に見えない太陽光を最大53%カットしますので、過酷な環境下でもLCDの性能を発揮することができます。
ローカルディミング
ローカルディミング技術は、何年も前からテレビ産業の主流として広く普及しています。 Litemaxは、この技術を大型の産業用屋外ディスプレイに導入しました。 ローカルディミングは、LEDバックライトを調光することで熱を最適化し、エネルギー消費を抑えます。 また、Litemaxは、ローカルディミング技術によりHDR(ハイダイナミックレンジ)を実現し、業界最高レベルのカラーコントラストが可能になっています。
Conventional
Local Dimming
MTBF
LEDバックライトディスプレイは、低電磁ノイズ、広い調光範囲、低電力など非常に優れた機能を備えています。 これらのバックライトシステムは、高輝度出力のほか、LEDの寿命延長を目的に開発されています。 Litemaxのバックライトシステムは、このような設計アプローチとテストの徹底により、市場で入手可能な最も耐久性に優れた設計の一つとなっています。 前述の高輝度バックライトシステムは、MTBF(平均故障間隔)100,000時間を達成しています。 これは、継続的な動作と最小限のメンテナンスを必要とする業務用で求められる一般的な製品寿命よりもさらに長いです。